本記事は20万部突破の世界的に話題の書籍「GRIT やり抜く力」から学ぶ、自分の目標を達成するための方法について説明していきます。
この記事で説明をする人生を変えるための正攻法について、最も重要な部分をはじめに言っておくと、
✔ 才能が成功に直結するのではない。
✔ 成功するのに最も重要なのは「やり抜く力」である。
✔ 自分が達成したい最上位目標を見つけ出し、それを達成するための 中目標、小目標を洗い出す。
✔ 最上位目標達成のため、来る日も来る日も粘り強さと情熱を持って目標に取り組む。
✔ やり抜く力は伸ばすことができる。
ということです。
これから詳しい説明に入りますが、とても長いです。笑
早く読み終わりたい人はマーカー部分だけ読んでください。
「GRIT やり抜く力」について
GRITとは、本書では、「やり抜く力」のことを指しています。
本書の構成は
- やり抜く力がなぜ重要なのか
- やり抜く力を内側から伸ばすには
- やり抜く力を外側から伸ばすには
となっており、グリットの大切さや我々の人生に与える影響について様々な事例を基に書かれています。
本記事ではやり抜く力がなぜ重要なのか、やり抜く力で人生を変えるための考え方にフォーカスを当てて説明をしていきます。
やり抜く力とは何か。なぜそれが必要なのか。

やり抜く力とは
結果を出すために必要な「情熱」や「粘り強さ」のこと。
やり抜く力と才能は別物である
毎年ワシントンDCで開催される7~15歳の子供たちが参加するスペリングの大会の参加学生を対象に行った調査によると、人より何時間も多く練習し、たくさんのスペリングテストに出て場数を踏んだ学生が勝ち進んだことがわかった。
この研究では、参加学生たちに対して、
・スペリングの練習時間
・言語知能テスト
を実施しており、
これらの回答と実際の大会結果から、グリットと才能と習得量の相関関係を分析している。
実際に分析を進めると、先述の、多く練習をした学生が勝ち進んだという結果に加えて、
言語知能についても、コンテストを勝ち進む者を予想する判断材料になることがわかった。
ところが、
「言語知能指数」と「やり抜く力」には、相関関係は全く見られなかった。
それだけでなく、名門大学の研究では、
SAT(学力テスト)のスコアが高い学生は他の学生に比べて「やり抜く力」が弱かった。
という結果が出ており、
これによれば、SATのスコア、「才能」と「やり抜く力」が逆相関の関係にあるといえることになる。
成功する者の秘密
進化論を提唱したことで有名なダーウィンは人間の知的能力に大した差異はないと考えており、成功するのに最も重要なのは熱意と努力であると常々考えていたようである。
才能が達成に直結している?
人は、偉人に何か圧倒されると「この人は才能が凄い」と思ってしまう。
これに対し、ハミルトンカレッジの社会学者ダニエル・F・チャンブリスは「偉業というのは、小さなことを一つずつ達成してそれを無数に積み重ねた成果で達成可能なもの」であると述べている。(身体構造上の優位性など「才能」による部分もあることは指摘した上ではあるが)
なぜ、偉業を才能によるものだと考えるのか。
自分が「ラク」だから。
ニーチェは、「我々の虚栄心や利己心によって、天才崇拝にはますます拍車がかかる。天才というのは神がかった存在だと思えば、それにくらべて引け目を感じる必要がないからだ。」と言っている。
また、ニーチェは、偉業をただ天賦の才だのと片付けないでほしい。努力によって偉業を成し遂げているのだと訴えている。
偉業を導く方程式

筆者が導き出した偉業を導く方程式は、
- 才能×努力=スキル
- スキル×努力=達成
陶芸家のウォーレンマッケンジーは壺を創ることに関してこのようなことを言っている。「最初の1万個は難しい。それを超えると少しわかってくる。」
「今日、必死にやる」より「明日、またトライする」
作家であり、映画監督でもあるウディ・アレンは「脚本や小説をひとつきっちりと書き上げた人は、着実に興行や出版にこぎつけるが、ほとんどの人は、”書きたいんです!”なんて言ってくる割には、すぐに挫折してしまって、結局、ひとつもまともに書き上げない。」という言葉を残している。
重要なのは、一日にどれだけ努力するかより、来る日も来る日も目が覚めたとたんに、今日も頑張ろうと気合を入れることである。
哲学がなければ失敗する。最上位目標を見つけ出す。

アメフトのシアトルシーホークスのコーチ、ピートキャロルによれば、「明確に定義された哲学」は、物事を正しい方向に導くことが出来る。
目標をピラミッド型に描いてみる
自分の目標を明確にするために一度ピラミッド型で書いてみることを著者はオススメしている。
基本的に目標は上位・中位・下位に分けることができると本書には書かれている。
説明すると、
- 下位→目的を達成するための手段、やることリストのようなもの
ex.朝8時までに家を出る、取引先に折り返しの電話をする、昨日下書きした
メールを書き上げて送信するなど - 中位→上位目標を達成するために必要な目標。通常であれば数階層が存在することになる。
- 上位→目標に方向性と意義を与える「コンパス」
最上位目標のことを心理学では「究極的関心」という。
下位・中位目標をどんどん洗い出していくと最終的に最上位の目標にたどり着く。
最上位目標は少なければ少ないほど良い。
沢山あるとそれぞれに割くことのできる時間が少なくなり相対的に実現可能性が低くなってしまうからである。
やり抜くために
なんでも必死にがんばるのは意味がない。
重要性の低い目標にまでしがみついて、どれもこれも必死に追い続けることではない。
目標の取捨選択が必要。
「最上位目標」と関係のある目標だけを取捨選択し、その目標を粘り強く確実に達成していくことが重要。
スタンフォード大学の心理学者キャサリンコックスは「知能のレベルは最高ではなくても、最大限の粘り強さを発揮して努力する人は、知能のレベルが最高に高くてもあまり粘り強く努力しないより、はるかに偉大な功績を収める」と述べている。
「やり抜く力」は伸ばせる
「やり抜く力」の性質
著者は「やり抜く力」についてこう説明している。
- 「やり抜く力」は育つ時代の文化的な影響を受ける
- 「やり抜く力」は年齢とともに強くなる
「やりぬく力」は上記のような性質を持ち、すなわち、変化するものであり、著者は意図的に変化させることが可能であるとも述べている。
「やり抜く力」を強くする4ステップ
4ステップは、興味→練習→目的→希望であり、1から4の要素が順番に強くなっていく。
興味
尽きせぬ興味と好奇心を持って取り組む。
著者は、どんな鉄人であっても、自分の仕事の中で、あまり楽しいとは思えない部分を認識しており、少なからず我慢していたが、尽きせぬ興味と子供のような好奇心をもって「この仕事が大好きだ」と言う、と述べている。
練習
ひとつの分野に深く興味を持ったら、わき目をふらずにそれに打ち込む必要がある。
自分の弱点をはっきりと認識し、それを克服するための努力を日々繰り返し、何年も続けなければならない。
目的
著者はひとつのことに興味を持ち続け、何年も鍛錬を重ねたのちに「人の役に立ちたい」という意識が強くなるようだと述べている。
自分の仕事が自分にとっても、世の中にとっても重要なものだと思えるようになると「やり抜く力」は一層強くなる。
希望
やり抜く力を強くするための最後の要素ではあるが、目標を達成するための過程で最初の一歩からやり遂げるときまで、計り知れないほど重要なもの。
自分は最上位目標を達成すれば何かを変えることが出来ると常に思い続けることが重要。
終わりに。「やり抜く力」で人生を変える。

これまで、「やり抜く力」とは何か。それをどう強くしていくのか。について特に重要だと思った部分について説明をしてきましたが、まずは、自分の最上位目標は何かを一生懸命考えてみてください。
その最上位目標のためにすべきことを洗い出して、それを粘り強く情熱を持って何度も挑戦することが大事だと本書では述べられています。
また、著者は、最上位目標達成のためには、中位、下位目標は途中で方向を変えるなど、見直していくことが必要であるとも述べています。
これからの人生を後悔のないものにするために、自分の最上位目標を真剣に考えてみるといいかもしれません。
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