映画「1917」、前評判通り素晴らしかったです。
この作品が多くの賞を総なめにしている裏には、並々ならぬ映像へのこだわりと現代社会への痛烈なメッセージがありました。
映画「1917」について、あらすじ

重要なミッションを与えられた若きイギリス人兵士2人の”一日”を壮大なスケールで描く。・・・
本作では、2人の主人公たちの行動に寄り添い、究極の没入感を表現するため、約2か月の撮影期間を経て【全編を通してワンカットに見える映像】を創り上げた。・・・
第一次世界大戦真っ只中の1917年のある朝、若きイギリス人兵士のスコフィールドとブレイクにひとつの重要な任務が命じられる。それは一触即発の最前線にいる1600人の味方に、明朝までに作戦中止の命令を届けること。
進行する先には罠が張り巡らされており、さらに1600人の中にはブレイクの兄も配属されていたのだ。・・・
映画 「1917」 公式ページ
ちなみに、この作品はアカデミー賞「撮影賞」「録音賞」「視覚効果賞」の3部門を受賞、ゴールデングローブ賞「作品賞」「監督賞」受賞、その他の本当に多くの賞を総なめにしています。
「全編ワンカット」作品。

この作品の凄いところは、ストーリーがほとんど継ぎ目がなく流れるように進んでいくため、ワンカット撮影による作品のように見えるところ。
ただ、「映画のすべてがワンカットで撮影されている」というわけではありません。
各シーンがワンカットで撮影され、それらが繋ぎ合わされることで、それらが続いているように見える作品となっています。
1917がここまで称賛される理由。
映像技術が凄い。

この作品は、味方軍に伝令を届けるため、主人公が戦場を潜り抜け、何とか味方のいる場所に到達しようとする1日に密着した物語ですが、本当に自分がその仲間になり、一緒に戦場にいるかのような感覚になります。
いつ敵軍が現れ殺しに来るかわからない、いつ地雷や爆弾のような仕掛けにひっかかるかわからない。そんな緊迫感をまるで自分のことのように体感することになります。
自分が兵士になったらどんな感じなんだろう、を体験できる。

これは、本当に観た人にしかわからないのですが、「1917」も戦争映画というテーマ上、当然びっくりするシーンや人が殺されるシーンが多少出てはくるのですが、本作は、そういった、通常グロテスクに描写されるようなシーンを極力控えめにし、「人が簡単に死んでしまう怖さやおぞましさ」という客観的な視点ではなく、「自分が当事者になったらこんな恐怖を味わうのか」という主観的な視点で視聴者に語り掛ける凄さがあります。
そういった意味で、この作品はこれからも語り継いでいくべき、平和教育の一助となる作品だと感じましたし、歴史の中で、各国が犯した大きな過ちの恐ろしさというのを身をもって体感できる本当に素晴らしい作品だなと思いました。
偉い人たちが豪華。

これは、おまけ的な話ですが、偉い人たちがやけに豪華です。
ラスボス感があって、観ていて出てくるたびに興奮します。
映画好きなら皆そうなることでしょう。
この作品はぜひとも劇場で。

この作品は、これまで話してきた通り、絶対に観るべき魅力の詰まった作品です。
できることなら、劇場で臨場感を体感してもらいたい作品です。
まだ間に合うので、お早目に。
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